在宅介護の排泄で気を付けたいポイント~適切なおむつの選択方法②

こんにちは。ケアマネの幸ちゃんです。

さて、前回おむつについて熱く語ってしまいましたが、それだけ、介護従事者は、排泄介助にとても気を遣っています。教科書には「恥ずかしくないように」「尊厳の気持ちを持って」「さりげなく」なんてキーワードがたくさん出てきます。

でも、どんなに頑張っても、排泄のお世話をされる方の「恥ずかしい」「悔しい」「情けない」という気持ちは、なかなか緩和できるものでは、ありません。
どんなに寝たきりの方でも、私たちがきれいにして差し上げたいと思っていても、嫌がるそぶりを見せます。

ですから、「恥ずかしくない」おむつケアってとても大切です。

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1回の排尿量を知ろう

さて、前回の記事の中で、パットにはさまざまな種類があって「10㏄~1200㏄吸収することができる」ということを書きました。
 人間は解剖学的に、150㏄~200㏄膀胱に尿がたまると、尿意が発生するようになっています。
 しかし、高齢になると、このセンサーが少し不調をきたすようになり、この容量より少ない状態で尿意を感じたり、反対に、この容量より多くても、尿意を感じないことがあります。
 さらに尿意をしっかりと感じて、トイレに行くことができても、排尿直前にトイレに行くまでに間に合わないことがあります。
 
ですから、1回分の排尿の量は、人によって異なります。
 
 パットには、10㏄~1200㏄の種類がありますので、その人の、できたら1回分の排泄を受け止めることができるものを選ぶことが大切です。
 
 1回分の量を把握するためには、計量カップを使用することもできますが、2㎏の秤を使用します。排泄後のパットの重さを測定し、そこからパットの重さをひくことで、1回分の排尿の量を知ることができます。

 どうしても、介護する人は「大は小を兼ねる」という言葉にもあるとおり、大きめのパットを当てがちです。
 しかし、使用してみるとわかるのですが、股の間にパンツ以外のものがある違和感は、かなり不愉快なものです。
 ですから、それぞれの時に適切なパットを当てて上げ、少しでも不愉快さを軽減できるように支援しましょう。

何時間に1回トイレに行くか把握しよう

 介護をされている方は、介護を受けている方に対して「え?またトイレに行くの?」と、思ったことはありませんか?
 高齢になると、どうしても、膀胱の容量が少なくなってしまいますので、仕方ないことでは、あるのですが、それだけでリハビリになるんじゃないか?と思うくらい、トイレか、寝ているか?という方がおられます。

 その方たちの排尿量を調べてみると10数㏄しかないこともあります。
なんと、調べてみたところ、1滴しか出ないこともあります。
極端な例かもしれませんが、以前、ショートスティでケアさせていただいた方の中に、「夜間だけで」186回トイレに行かれた方がおられました。ベッドサイドのポータブルに介護スタッフが座らせていたのですが、カウントしたところ、この回数だったそうです。
日中は、少し回数が落ちましたが、ずっとその状態だったので、ドクターに相談したところ、認知症の症状からくる頻尿ということで、即刻入院となりました。

 これは、ショートスティを利用したから、緊張してこの症状が出たということではなく、入所前にご家族から、トイレの回数がとても多くて困っているという相談を受けていました。
 それで、夜間の状態を確認するためのショートスティ利用でもあったのですが、この回数は、びっくりしました。
 先生が言うには、トイレに行きたい気持ちが募りすぎて、不安が強まって、どうしようもない状態になっていた、とのことでした。
 おむつの使用に対しては、強く拒否していましたので、「失敗するといけない」という強い気持ちがあったのではないか?と思います。
 このような状態が家族にも、本人にも続くと、心も体もすり減ってしまいますね。

本人にとっても、家族にとってもより良い排泄ケアを

②でもありました通り、おむつの使用は、本当にプライドを刺激してしまい、導入が難しいことがあります。
 だからこそ、話し合いをずっと続けることが必要ですし、必要であれば、気持ちに配慮してくれる第三者も交えながら話し合いを持つことが大事だと思います。②の事例に出てきた家族も、そのように、第三者の力を借りることができました。
 このままでは、在宅での生活が難しいこと、おむつを使用しないと、その人自身の生活の質が落ちてしまうことなどを、本人が理解できる言葉、環境などできちんとわかってもらわないといけません。

それまで、放置するのではなく、元気な時から「もし××な状態になったらどうする?」という話をしておく必要があります。
また、介護をするかもしれない方たちも、介護が必要な状態になると、排泄はどのように変化するかということを前もって、勉強しておく必要があります。

 経験を積んだスタッフの中には、トイレで一緒にリハビリパンツをはいて見せて
「これは、みんなはいている。」
「恥ずかしくない」
「最近はいい世の中になった」
「これをはいていたからと言って、何も困ることはない」
などと何回も繰り返して、おむつの導入に成功した方もおられます。
在宅生活を続けるためにも、排泄ケアをプロの視点から一緒に考えてみることも一つの方法ですね。

まとめ

家族を在宅介護されている方は、ぜひ試してみ下さいね。

次回は、「排泄編④~在宅での排泄ケアを行う時に気を付けたいポイント」について、説明したいと思います。

yuki

みなさまの在宅の生活を支援しているケアマネージャーのゆきちゃんです。

介護にまつわる情報を発信していきます。

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