脳梗塞片麻痺の人の一人暮らしを支援する    ~施設からの在宅復帰 居住空間編

こんにちは。ケアマネのゆきちゃんです。

施設入居されている「脳梗塞片麻痺」で「車いす」生活の「要介護2」の方が「どうしても一人暮らししたい!!」ということで、在宅復帰に向けて支援することになりました。

金銭的に余裕もない状態で、果たして一人暮らしは可能なのか?

居住空間を整えるにあたり支援した内容をお伝えします。

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「このままでは終われない」

脳梗塞を起こし、救急搬送されたのは1人で自宅で生活されている5年前。66歳の時でした。ちょうど、遊びに来られたお友達が発見し救急搬送してくださいました。

治療やリハビリのかいあり、一生寝たきりと言われ要介護4の状態で入所しましたが、車いすを自走できる要介護2まで回復しました。

そうなると高齢者施設で生活するよりは、「自分の家で生活したい!」「自由に生活したい。」「このままでは終われない。」という本人の意思を強く主張されるようになりました。

主治医や施設職員は、無理だろうとの判断でしたが、本人がどうしても一人暮らしを頑張りたいというので、本人の気持ちを尊重し、1つ1つ在宅復帰にむけてハードルをクリアしていくことになりました。

家を見つける

当時本人が住まれていたアパートは引き払ってからの施設入所でしたので、一から家を探す必要がありました。

また、生活保護受給中であり、金銭的に余裕がなかったので、市営住宅を探しました。市営住宅のバリアフリータイプは数が少なくなかなか空きも出ないとのことで、施設から徒歩5分の所にある一般の長屋タイプの市営住宅(昭和48年築)を申し込みしました。古いですが3Kの一人暮らしには広い住宅です。

保証人が必要とのことでしたが、後見人もケアマネも保証人にはなれないので、どなたか親戚かご友人を探していただくことになりました。

ご本人様はあちこち探され、同級生に依頼されたようです。在宅復帰にむけてハードルを1つクリアしました。

家財道具をそろえる

エアコン、冷蔵庫、電気ポット、洗濯機、カーテン・・これらのものをそろえるとなると結構な費用がかかります。またバリアフリー工事も必要でした。福祉課・管財課・介護課・後見人で何度か話し合いの場を持ちました。

バリアフリーの工事に関しては、室内の段差解消については管財課で行ってくださるとのことでした。室内は畳ですが、床への張替は難しいとのこと。畳の上にフロアマットを敷いて対応することになりました。

家財道具に関しては、福祉課からは費用の援助はないとのことでしたが、タイミングよく同じ市営住宅に住まれている方で、施設入所する方がいらっしゃるので、その方を紹介するので、不要な家財道具を提供していただいては?とのご提案がありました。

早速会議終了後、その方の所に出向き、電灯(3部屋分)、エアコン、カーテン、洗濯機(ドラム式!!)と無償で譲っていただけることになりました。本当に感謝でした。

結局新規で購入したものは、冷蔵庫、電子レンジ、電気ポット、掃除機のみでした。

福祉用具購入&住宅改修

本来ですと、ここからがケアマネの仕事のような気もするのですが、トイレは昭和48年当時の汲み取り式の和式トイレだったため使用できず、ポータブルトイレを購入することとしました。このポータブルトイレは、自動ラップ式トイレで、バケツ洗浄も不要な、衛生的で、においもラップできるものです。ポータブルトイレの下から、ラッピングされた排せつ物が出てきて、燃えるごみとして捨てることができます。このトイレを利用することで、週2回のヘルパーでも部屋の中を衛生的に保つことができます。介護保険の福祉用具購入を利用しますので、1割負担ですみます。(この方は生保のため負担なし)

ラップポン

また、古い住宅でしたので、勝手口から中に上がるためのスロープをとりつけました。レンタル用のスロープでは長さが足りず、急こう配になってしまうため、木製のスロープを造作にて取り付けました。(こちらは住宅改修対応)

引っ越し

いよいよ、施設を出て一人暮らしを開始します。在宅復帰第一日目。

施設より段ボール3つ程度の荷物を運ぶとあとは終了。本人もレンタルした電動ベッドの位置を確認しながら新しい生活の始まりにワクワクされておられました。

まとめ

以前、「こんな夜更けにバナナかよ」という大泉洋さん主演の映画を見たことがあります。一人暮らしの難病の筋ジストロフィーの主人公をボランティアの方だけで支える話ですが、あまりに主人公がわがままで度肝をぬかれました。

この映画の主人公ほど、わがままではないですが、ずっと5年間言い続けてきた「ひとりぐらしをしたい」を支援することができてよかったと思っています。

次回は、どのように生活を送るのかについてお伝えします。

yuki

みなさまの在宅の生活を支援しているケアマネージャーのゆきちゃんです。

介護にまつわる情報を発信していきます。

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